東宝のミュージカルでは、定番?とされているらしい、主人公(マリーアントワネット)が亡くなった後のフェルゼンの回想シーンから始まる。
マリーアントワネットと言うと、“貴族”というイメージが強い。そして“浪費家”とか“世間知らず”などあまり良いイメージは持っていなかった。しかし、舞台の中のマリーアントワネットはどこか憎むことのできない人だった。純粋な少女のような人。世間知らずと言うよりは、かごの中の鳥のように育てられ、世間を知ることができず、また金銭感覚なんかも養われないまま大人になってしまったのかなと思った。
もうひとりの主人公とも言える、マルグリットアルノーは、女性ながらも男性に負けず劣らずの行動力を持っていて、尚且つ頭の切れる人。ずっと、マリーアントワネットのことを忌み嫌っていたのだけれど、監視のためマリーアントワネットの側にいたことで、マリーアントワネットの考えや思いに触れて、最後はその気持ちを汲もうとしていた。
因果応報とも言えるような結末は切ないながらも、救われたと思える部分もあって良かったなと思う。
笹本さんの可愛らしさのなかに逞しさも感じる声が、マリーアントワネットにピタリとはまっていたように思う。昆さんは、小柄な体型からは想像できないような、すごく力強く感情があふれでてくるような声に圧倒された。オルレアン公を演じていた、吉原さんの声が素敵。低いのに、聞き取りやすく、とても響きがあって圧倒的な存在感だった。
もともと、想像していたもの以上に心を動かされるシーンや考えさせられるシーンが多く、また曲も素敵だった。
2018年12月12日(水)
御園座 2階2列10番
1幕 12:00~13:20
2幕 13:45~15:00