映画版のものを見て以来、生で観劇して見たかった作品。テーマが難解で考えさせられる部分の多い作品だと思う。
生で観劇して、一番印象に残っていることは、役者さんの声の迫力とオーケストラの演奏の響き。目で見る、耳で聞くに留まらず、全身で感じることができるのは舞台ならではの贅沢だなと思う。
楽曲も心地の良いリズム感のものが多く、素敵。翻訳劇ならではの語呂の悪さなどはそこまで気にならず。今までに見た、ミュージカルとの明らかに異なっていた点は、普通のリズムのない台詞が1つも無いこと。すべての台詞にリズム、音楽がついていた。
ジャン・バルジャンは自分の思う正しい道をひたすら猪突猛進に進んでいった人。その逆に、ジャベールは自身の職務や社会の正しさを基準を全うした人。どちらも間違ってはいないのだけれど、正しいかと問われれば正しいとは言い切れない。ただ、悔いの無い人生だと言えるのは、きっとジャン・バルジャンだろうなと思う。エポニーヌのひたむきな心、コゼットの純真さ、アンジョルラスの積極性やリーダーシップ、など登場人物から学ぶことは多いなと感じる。マリウスはどうしても優柔不断なように感じてしまうのだけれど、とても優しい人故かなとも思う。
情にあふれている世界であってほしいと願うけれど、結末は無情なことが多いのかもしれないなとも。
ジャン・バルジャンの吉原さんの圧倒的な声量と力量、昆さんの力強い歌声に感激。
川口さん、濵田さん、小野田さんの歌声も印象的でした。
2019年6月12日(水)
御園座 2階8列19番
1幕 12:30~14:00
2幕 14:25~15:35