2020年、一度も舞台にもコンサートにも行けないまま半年が経って。
このまま、1年が過ぎてしまうのだろうかとも思っていたのですが。
オンラインでの、ライブ配信という新しい形が生まれ、家にいながら舞台の空気を感じることが出来るという、ある意味では贅沢すぎるような気さえする方法でこの物語を観ることが出来たことをとても幸せに思います。
「カラマツのように君を愛す」
尚さんとリエさん。どちらも繊細で、綺麗な人だと思いました。
尚さんは現在で、自身の書いた日記を読み返していて、リエさんはその日記の中(過去の思い出の中)に居るのかなと。
リエさんの「好きなものがわからなくなっていった」という台詞が自分自身の心の内を見透かされているようで、哀しくて。でも、分かってくれる人がいるということにどこかホッとしたり。
舞台上にはたった二人だけ。
真っ暗の静寂の中、机、椅子2脚と少しの小道具。そして2冊の台本と紙吹雪。それだけのものを2人の役者さんが色付けて生活を紡いでいく。光と影が印象的な美しい舞台だったと思います。
吾郎さんの優しい声、門脇さんの透明感。ただただ素敵でした。
最後の、引きで客席から舞台全体が映るところがすごく好きです。
「ひとりのふたり」
大人なラブコメディという感じでしょうか。
ジャズの軽快な音楽ををバックに、素直なような、ちょっとひねくれているような2人が面白かった。
佐藤梲夫さんと伊藤毬子さん。どちらの言い分にもウンウンと頷きたくなることが多くて。。将来の私かしら…と思ったり。
最後はハッピーエンドというか、ホッコリと終わってくれて、凄く好みな舞台でした。
しっとりとした舞台の後に軽やかなコメディ。素敵な組み合わせでした。
劇場で観れたら、もっと良かったなとも思うのですが、何度も何度も見返すことができてのはオンラインだからこそ。新たな形として広がっていったらいいなとも思います。
2020年8月9日(日)
zaikoオンライン配信
17:00~19:00